Bulk Pet(バルク ペット)は独自転送技術により音質を変化させるソリューションです
-Bulk Pure Enhanced Technology-
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USBを使ったオーディオ再生の場合、一般的にはIsochronous(アイソクロナス)転送方式が用いられます。
Isochronous転送は、データ伝送タイミングが一定周期である反面、定期的に処理負荷がかかります。
Bulk転送は、大量のデータを送る事や、エラー時に再送されるなどのメリットがありますが、転送タイミングはUSBバス上の空き具合に左右されるなど、タイミングの制御が難しいという面もあります。
インターフェイス株式会社では、レイテンシー高速化のために、Bulk転送によるUSBオーディオ機器の開発をお手伝いした経験がありました。
そこで、Bulk転送をHi-Fiオーディオの世界にも展開したら、処理負荷の軽減ができ、音質改善にも一役買うのではないかと考えました。
そこで開発スタートしたのがBulk Petでした。
弊社ソリューション「ITF-USB DSD」をご採用頂いているHi-Fiオーディオメーカー様に御協力をいただき、Bulk Petの音質改善について効果を評価していただき、評価やブラッシュアップを重ね、リリースする運びとなりました。
USB Audio Classではオーディオデータの転送はIsochronous方式で転送するように規定されています。
これはリアルタイム性を重視し、周期的に決まった量のデータを転送する方式です。間欠的にデータを最速で転送するため、その際にHost側 CPUとDevice側 CPUに定期的に高い処理負荷がかかります。
高い処理負荷がかかると、音質への影響が発生します。
弊社で開発しました「Bulk Pet」では、オーディオデータの転送方法にBulk転送方式を用いています。
Bulk転送方式は大規模なデータを正確に転送する方式です。
この方式の利点として、転送するデータ量と転送サイクルを任意にコントロールすることが出来ます。
「Bulk Pet」では、転送するデータをできるだけ少なくし、連続的なデータ転送にすることで、Host側CPUとDevice側CPUの処理負荷を安定的にすることが出来ます。
安定的な処理負荷にすることで、音質の改善が可能となります。
また、「Bulk Pet」では、Host側CPUとDevice側CPUの処理負荷のバランスを変えた4モードを用意しており、お使いのパソコンやユーザー様の好みに合った最良の音質を選ぶことが出来ます。
Host側CPUの処理負荷が2パターン(高負荷、低負荷)、データの転送パターンが2パターン(パターンA、パターンB)、上記の組み合わせを変えることで処理負荷にバリエーションを持たせております。
モード1からモード4については、下記のような組み合わせで動いております。
モード | Host側処理負荷 | データ転送パターン |
---|---|---|
モード1 | 低負荷 | パターンA |
モード2 | 低負荷 | パターンB |
モード3 | 高負荷 | パターンA |
モード4 | 高負荷 | パターンB |
Bulk Petを搭載したUSB DACは従来のUSB Audio Class2.0互換のモードを残しつつ、Bulk Petモードに切り替える仕組みを実装しております。
そのため、ホスト側機器がBulk Petに対応していない場合でも、USB Audio Class2.0に準拠したIsochronous転送方式で利用することが出来ます。
また、Windows/Macいずれも、OS標準のドライバの仕組みの中に、Bulk Petを実装しているため、ASIO、WASAPI、CoreAudioといった一般的なAPIを利用した音楽再生を楽しむことが出来ます。
従来からご使用いただけている音楽ソフトは、そのままお使いいただけます。
各OSでの、ドライバの構成について概要を記します。
2017年9月15日 日本オーディオ協会ハイレゾセミナー講演資料。
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