一般的な通信規格とUSBの比較
現在一般家庭で使用可能な通信規格についてUSBとの比較を紹介します。
名称 |
公称速度 |
接続形態 |
USB |
12Mbps~5Gbps (USB3.1では10Gbps) |
ホスト機器にハブにより複数デバイスを接続 |
FireWire
(IEEE1394,DV端子,iLink) |
100Mbps~3.2Gbps |
ホスト機器にハブとデイジーチェーンにより複数デバイスを接続 |
Thunderbolt |
10Gbps*1 |
ホスト機器にハブとデイジーチェーンにより複数デバイスを接続 |
Wi-Fi*2(無線LAN) |
~54Mbps |
AP(アクセスポイント)に複数ノードを接続(各ノードは平等) |
LAN(Ethernet) |
10Mbps~1Gbps |
通常は、ハブにより複数ノードを接続(各ノードは平等) |
Bluetooth |
~3Mbps |
ホスト機器に複数デバイスを接続(事前にペアリングする) |
- FireWire
比較的古くからある “ホスト-デバイス” 間の通信に用いられる規格です。FireWire の方がUSBと比較すると CPU に掛かる負荷が小さいとされています。一般家庭向けではありませんがプロオーディオの分野では比較的よく対応デバイスが見受けられます。
- Thunderbolt
Thunderbolt は新しい規格であり、主に Mac でサポートされています。Thunderbolt は性能重視の規格で双方向それぞれが最大 10Gbps で通信可能です。また、光通信にも対応していることが大きな特徴で今後より長距離・高速な通信が可能になることが期待されます。
- Wi-Fi , LAN
USB と Ethernet は全く異なる目的の通信規格であるためその性格は大きく異なります。まず、デバイスがホストに直接接続されるわけではないため、ホストがデバイスを見つけ出す手段が必要になります。更に伝送路を共有するためネットワーク上の他のノードからもアクセス可能になってしまいます。通信速度の面では無線の場合は最大 54Mbps, 有線の場合は最大 1Gbps と最近の USB に比べて大分見劣りしますが最大長が USB の 5m に対し、 100m とかなり長距離の通信が可能です(両者ともリピーター無しの場合)。
プラットフォームに対する依存性が非常に少ないという点も特徴的です。ホストで実現したい機能にもよりますが通常は OS がネットワーク接続をサポートしていれば十分ですので、スマートフォンからウェブブラウザで接続して制御するといったことも可能になります。その他の高度な機能は各プロトコルによって規定されます。
- Bluetooth
USBとの最大の違いは無線であるか否かです。USBに比べると通信速度は大幅に低くなります。*3 携帯機器では広くサポートされており、パソコンにも USB 経由で接続するアダプターが多く提供されています。Wi-Fi と違いは1対多通信が前提であるため、USB のような “ホスト-デバイス” な接続形態を取ります。また、標準プロファイルが多く用意されておりこれに対応することでプラットフォーム依存性を低く抑えることができます。
*1 Thunderbolt 2 では各方向 10Gbps であるところを片方向で 20Gbps とすることができる。
*2 Wi-Fi Allience の認証を受けた場合に Wi-Fi 対応を名乗れる。
*3 “Bluetooth over IEEE802.11” が使用できれば “無線LAN” に近い速度で Bluetooth を使用できる。